携帯販売員の販売力を最大限に引きあげるマネジメント手法
皆さんこんにちは
フォスター株式会社代表取締役の小椋賢司でございます。
今回は携帯キャリアショップにおける販売力強化において重要となる「KPIマネジメント」に関してお話させて頂きます。
目次
携帯キャリアショップにおけるKPIとは
KPIとは店舗の売上目標を達成する為に行う日々の販売活動における具体的な行動指標のことです。「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、「重要業績評価指標」のことを指します。
KGI(重要目標達成指標)とKPIの違い
KPIと混同されがちなものにKGIが挙げられます。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれるものになります。いわゆる最終的なゴールであり、特定期間で「何」を「どの程度」達成するのかを数値で表しています。KGIに到達するために、どの時点でどこまで進んでおくべきなのか。その中間点がKPI指標となります。
KPI設定の重要性
KGI「重要目標達成指標」のみを掲げてしまうと、達成に向けたビジョンが描けなかったり、何をすべきなのか分からなくなったりしかねません。その結果、目標が達成できないという事態も考えられるでしょう。KPI「重要業績評価指標」を設定することで、目標達成に向けた道筋が示されます。
また、「月商材獲得件数100件」のような最終目標が大きい場合でも、最終目標に向けた中間地点となる具体的な活動である「お客様の着座数(販売カウンターへの誘導数)1日10件」や「お客様へのサンプリング数(お声かけ)1日200件」と切り分ければ店舗スタッフ心理的な障壁が下がります。
目標達成を現実的なものと捉え、着実にKPIに応じた取り組みを積み上げていくことで、目標に到達できる可能性が高まるでしょう。 また、目標を達成できなかった場合にもKPIは役立ちます。細かくKPIを設定しておくことで、「どの時点でどんな問題があったのか」が簡単に見つけられます。「お客様の着座数」が達成しているのに売上が未達であれば、お客様へのサンプリング数(お声かけ)に問題があるかもしれません。KPIを設定しておくことでこれに気づき、途中から軌道修正することも可能となります。
KPIを設定する3つのメリット
KPIを設定する3つのメリットを具体的に説明します。実際に導入する前に把握しておきましょう。
メリット①個人の指標が明確になる
KPIを設定することで、目標達成のために店舗スタッフそれぞれがどのような行動をすればよいのかわかりやすくなります。やるべきことが明確なので行動もしやすくなり、業務スピードも向上します。成果が足りていなければ、改善点の見える化もできます。PDCAサイクルをスムーズに回すことにもつながるでしょう。
反対に、KPI設定がされていない場合、行動指針が不明確になるため、店舗スタッフは何をすればいいのかわからなくなります。
メリット②評価基準を統一・分析できる
KPIは定量的な数値が用いられるため、評価基準を統一できます。
たとえば、お客様へのサンプリング数(お声かけ)一人あたり1日70件と設定した場合、一人あたり1日70件以上であれば目標達成、一人あたり1日70件以下であれば不足というように評価できます。明確な評価基準のもと、店舗スタッフを公平に評価できます。
メリット③組織全体のモチベーションが上がる
KPIで達成すべき目標を店舗で共有することで、組織全体のモチベーションが上がり、生産性向上につながります。
目標達成のプロセスにおいて課題が発生した場合は、すぐに共有でき、スタッフ全員で課題に立ち向かえるので、結束力が高まり、組織全体での相乗効果が期待できます。
店舗スタッフのモチベーションを維持するためには、目標や課題の共有だけでなく、店舗スタッフそれぞれの意見が反映されやすい体制を構築しましょう。
KPI設定の作り方
まずは、店舗のKGI「重要目標達成指標」を月単位で明確に決めていきましょう。その後、KGIを達成する為に必要な数値を求めていきます。
例えばKGIがある端末の販売数であれば、端末販売数の獲得必要な着座数がどの程度なのか、またはお声かけの数がどの程度必要なのかを求めていく事で自然とKPIが明確になっていきます。
KPIを設定する際の注意点として、一般的によく用いられる「SMART(スマート)」というKPI設定モデルがあります。それぞれの英単語の頭文字をとってこのように呼ばれます。
Specific(具体的である)
Measurable(計測可能である)
Achievable(達成可能である)
Relevant(関連している)
Time-bounded(期限が定められている)
これらの「SMART」に該当しない、「抽象的で計測できない」「目標が高すぎて実現できそうにもない」「KGIに関連しない」「期間があいまい」などのKPIは設定してしまうとその後のKPI管理が大変難しく、KGI達成のために意味を持たないものになってしまいます。 「SMART」モデルはKPI設定の注意店として、必ず確認して適切なものを導きましょう。
KPIに基づいてPDCAを回す
KPIを設定した後は、KPIに基づき日々の業務においてPDCAサイクルを回します。業務の細分化することでPDCAが高速化し、効率的なマネジメントが実現します。
個でもチームでもKPIに基づいて実行・管理をすることで、業務において最大限の成果を出すことができるでしょう。 是非、皆様の店舗でも店舗スタッフの納得感があるKPIを設定し、店舗運営のヒントになれば幸いです。