エース社員に依存しない組織作り!ボトムアップ型の組織作り3選
皆さんこんにちは
フォスターリンク株式会社代表取締役の小椋賢司でございます。
今回は携帯キャリアショップや家電量販店における現場レベルでの組織作りについて解説させて頂きます。通信業界において企業規模に限らず、様々な人の悩みがあるかと思います。今回は人の課題の中でも多い「エース社員に依存しないボトムアップ型組織の作り方」についてお話しさせて頂きます。
エース社員に依存した組織のリスク
店舗の事業拡大において人材教育の強化は必要不可欠です。スタッフのスキルが向上する事で店舗の販売力も上がり、かつ、お客様からのクレームや思わぬアクシデントにも対応することが出来ます。
しかし多くの店舗では販売スキルが高い販売員の業務量が多く、新人スタッフの教育が出来ず、業務が属人化しやすくなってしまいます。
確かにエース社員にとっては「自分にしかできない仕事がある」というのは、個人で完結する仕事がある事が自身のモチベーションや他社からの評価に繋がることも少なくありません。しかしながら組織という単位で考えると「その人がいないと仕事が進まない」状態を招きかねません。
そして、属人化を招く人ほどそのことに気づきません。他人に任せるよりも自分でやった方が早いと確信してしまい、さらに多くの業務を抱えてしまうケースも少なくありません。
属人的な組織が辿る結果はエース社員が休みたいが業務が属人的になっている為、休めない。結果、エース社員の退職により組織が崩壊してしまうというリスクが考えられます。 これでは組織として正しい組織作りとは言えません。
エース社員に依存しないボトムアップ型組織の作り方3ステップ
目標・目的の共有
組織が一体となって業務に取り組む為には目標の共通認識が必要不可欠です。目標がないと各スタッフがそれぞれのやり方で業務を進めてしまい、目的に向けた取り組みが外れてしまいます。
「目的」というゴールがあり、それに到達するまでの過程に立てられるものが「目標」。
店長やマネージャーが一番にやることは目的の達成に向け、チームでの目標を明確にしていく事が重要となります。目的は長期的なもの、目標は短期的なものに設定していく事が求められます。
以前、当社のマネジメント研修の中で「目的の重要なのは理解できるが、目標の重要性がいまいちわからない」というご質問を頂いたことがあります。
目標の重要性については目標が無い場合に何が起こるかを考えてみると分かりやすくなります。
目標が無いということは、具体的に何を実行すればいいかが決まっていないということ。
「何をどうすればいいのか」が明確でなく、目的までの具体的な行動設定が出来ません。 また、目標という一定の基準が無いために、各スタッフは現状が良い状態なのか、悪い状態なのかの判別も出来なくなってしまいます。
業務の明確化
目的、目標が決まった後、各スタッフの業務を明確化していく事が必要となります。スタッフの業務を明確化することで、店舗の販売効率が上がるだけでなく、店舗全体に影響を及ぼすさまざまなメリットが得られます。
スタッフの業務をまだ明確に設定していない場合、各店舗を指揮する店長やマネージャーがそのメリットについて理解すれば、これから業務を明確化しようとするモチベーションが高まります。
スタッフの業務を明確化することで得られるメリット
- 生産性が向上する
社内のメンバーが自分に期待されていることを理解すれば、自分が何をしなければならないのかを把握できます。スタッフの業務を明示することで、店舗全体の生産性が上がれば、従業員の意欲や長期的な成果の向上に繋がります。
- 業務の成果が上がる
必要な業務を効果的に配分し、具体的な業務習得スケジュールを立てることで、優れた成果を達成できる確率が高まります。従業員の業務や習得期限を明確に設定すれば、従業員が業務に必要なツールをひととおり揃え、理想的な成果を上げられるようになります。
モチベーションアップ方法
業務を明確化し、知識や販売スキルを身に着けていく事でスタッフのモチベーションに繋がります。しかし、スキルの習得が出来た事がスタッフのモチベーションに繋がるのではなく、スキルの習得によって目標が達成し、店長やマネージャーから一定の評価を得ることでスタッフはモチベーションに繋がります。
その為、店長やマネージャーはスタッフのスキル習得状況だけでなく、目標達成に向けた進捗状況の管理、一定期間のフィードバックが重要となります。フィードバックでは個人面談を行い、これまでのスキル習熟度のヒアリングや目標の進捗状況を互いに確認する事でスタッフが目標を達成した際の大きな成功体験に繋がります。
業務を明確に設定し、従業員が自分の業務で活躍するようになれば、店舗全体でメリットが生まれます。スタッフが活躍できるようにすることは、今後の仕事に対する意欲を高め、生産性を向上させるのに効果的な方法の1つであると同時に、スタッフの自信を深めることにも繋がっていきます。
是非、皆さん店舗でもボトムアップ型組織の作り方3ステップを意識してスタッフの人材教育を進めて頂ければ幸いでございます。